2012/07/19

人にお願いすることが出来ない自分。

本屋にふらっと立ち寄ったときに思わずドキっとして手にとってパラパラ立ち読んでそのままレジに持っていってしまった本。『自分でやった方が早い病』(小倉広/星海社新書)。ベストセラーのようですね。
「まわりの人への任せ方がわからない」「いい仕事があがってこないから任せたくない」「教える時間がないから自分でやる」ー。
これが「自分でやった方が早い」という病です。病が悪化すると、待っているのは”孤独な成功者”の姿です。「お金はあるが、つねに忙しくて、まわりに人がいない」「仕事の成功を一緒に喜ぶ仲間がいない」。それは本当に「幸せ」なのでしょうか?(前書きより。)
もろに「自分でやった方が早いわ。」と思ってしまっている傾向…、いや、完全にそう思ってしまっている自分。僕のこと?(笑。目から鱗とまでは言いませんが、考えさせられました。やはりそうなのか…。。

photo credit: Stéfan via photo pin cc


なぜそう思うかを考えてみました。昔、「人に丸投げしておいて、自分は何もやらず、責任は僕に押し付け、成果はもっていく上司」という存在に嫌気がさしたことが思い当たります。以外と多くないですか?こういう人。そのときはしんどかったです。「おかしい。何かが違う。少なくとも自分はそんな人にはなりたくないわ。」みたいなことをジワジワ思うようになりました。


もっとも近頃はそういう人や、やり方を見ても「そんなもんでしょ。」と思っていることもあります。たしかにあの人の立場やポジション、役回りを考えたら”ふりまくらないと”回らないよね、とか組織とかチームプレイとか俯瞰して見る人必要だよね、とか。そう考えると「人にまかせていくこと」はとても大事なんですよね。

面倒なのは理屈ではわかっているのに「あの人にふられるのだけはイヤだ。」とか生理的に判断してしまうこと。これはもちろんストレスですし、何よりロス。しかし、それが人間社会というもの(笑。いいときはいいのですが、悪循環に陥ると人間社会ってどんどん空気が重たくなってしまいますよね。

「人に振るのが上手な人」もいます。自然と振るので「あ、丸投げされた!」「うまく振られた!」とか思わせないほどナチュラルな人。何なんでしょうね、こういう自然な人って。それこそ川の流れのように。スムーズにナチュラルに。まわりも自然と合流できてしまうような。ちょっと尊敬します。信頼や実績、キャラクターも左右しているんでしょうか。周りの反応や意見なんて、いちいち気にしない、そう思うからそう行動する、みたいなスタンスとリズムを持っているんだと思います。


振るのが上手な人の共通点として「自分の荷物を多くしないこと」があると思います。荷物が増えてくると、仕事の効率が悪くなるだけでなく、新しい荷物が届かなくなることをよく知っているんだと思います。新しい仕事や案件が来なくなることを何よりも恐れているのでインプットとアウトプットのバランスをよく考えています。血液の循環と一緒ですね。

最近は人と会ったときに何かの拍子にこの話をしてみると多くの人が「うまくふらないとダメだよ。」「荷物を軽くしていかないと自分のクビしめるよ。」と言います。僕は人にお願いするのがうまくないことを良くわかっているので、というかお願いできない性格なのである意味いかんですね。。すぐに自分がきつくなっていくでしょう!(笑。ということでそのあたりをうまくやれるようにしていこうと思っています。

ただまぁ、ちょっと煮え切らないのは、特殊技術をもってる人でない場合、営業、経営、経理、制作とかある程度マルチプレイヤーにならないと今どき仕事なんてできなくないですか?ということ。プロジェクトの規模と人数によってはそもそも一人何役もこなさなければ全く進まないし、人に振る以前に人がいない場合もあるわけで(笑。僕は何十人もからむプロジェクト経験が少ないのでちょっとわからないこともあるんですね。(少数制が好きというのもある。)大組織とか大会社は担当領域がそれなりに明確になっているから「私はここだけ。これだけをやる。」というラインが引かれているのでしょうが、小さなチームはもっと流動的。


「人に振りつつ、自分でもそこそこ何でもこなせなければいけないはず。」というのが僕の見解でした。ご静聴ありがとうございます。