2011/09/03

ガン=生活習慣病について考えてみる。その1

先日、島村善行先生の講演会に行ってきた。パネラーとして参加させていただき、僭越ながら少しだけ話もさせていただいた。テーマは「ベジフードは医療に効果があるか」。

僕が代替医療-とりわけ食事療法-やマクロビオティックや予防医学に興味をもったのは他でもない、家族のひとりに「ガン」が見つかったからだ。健康で文字通り誰も病気をしない、病院なんて行ったことがないボクら家族にとって悪性腫瘍が発見されるというそのニュースは衝撃だった。かなり動揺したのを覚えている。そしてあの衝撃から2年半くらい経つ。幸い、まだ元気だ。

2年半前の話になる。医師からの告知後、即家族会議だ。「さて、どうするか-。」治療法は?病院は?どの選択が一番正しいの?病に関する知識、情報があまりに乏しいので情報収集からはじまる。義兄が医師なのでだいぶ助かったし、いろいろと教えてもらった。同時に本人は驚異的なほど自分の病気についての知識、情報、メカニズムを徹底的に追求して心底理解している。(実は本人にこれだけのエネルギーがあることがどれくらい重要だったかをのちに知る事になる。なぜならガンを宣告されるとうつになったり活力がなくなり、ネガティヴになってしまう人が少なくない。それによって病気は進行してしまうのだ。)

僕の妻は当初から「食事と生活習慣」に着目していた。食べるものとその生活習慣が人体にもたらす影響について彼女なりにとても勉強していたようで「食べ物が大いに影響している。食べ物を変えよう。」と言い出したのも彼女だった。当時の僕は半信半疑というか、あまり意味がわからなかった。なぜならばガン治療には現代の三大療法「手術、抗がん剤、放射線治療」で治すものと定義付けられていたし、すり込まれてからだ。
「なんとなくわかるけど、本当に食事で病気が治るのか?よくなるのか?」

ちなみに日本における死因のトップ3は以下のとおり。(厚生省人口動態統計平成19年)
1位 ガン
2位 脳血管
3位 心疾患

2009年にガンで死亡した人は34万人以上になる。次いで脳、心臓だ。311以降、放射能漏れによる人体への影響のニュースがながれるため、不安が渦巻いている。(情報隠蔽問題も依然としてクリアにはならない。いやクリアになんかならないと思うべき。)特に小さな子供を持つ親はとても深刻だ。判断と行動は人それぞれなので言及しないが疎開されている方も多い。東電の社会的責任については、あまり議論しても仕方ないのでやはり、「自分の身は自分で守るという意識を上げる」しかないだろう。
上記の死因を見る限りにおいてガンという生活習慣病がひとごとではない現実に気付く。50代、60代に多いのはもちろんだが、逆に言えば元気な20代、30代でも50代、60代になったらガンになる確率は極めて高い。残念ながら。

僕が考えるのはガンやその他の生活習慣病を脅威として捉えるのではなく、元気なうちに「わるさをする奴ら」に対して作戦を考えておきたいというもの。その手段として勉強会をしたり、食事コントロールしたりと、日常に「食と健康についての意識」を少し取り入れて行く必要性を感じているということ。人はいつか死ぬ訳だし、極端に恐れる事ではないんだと。

多くの人がそうであるように(失礼!)歯がいたくなったら歯医者へ行き、具合が悪くなったら病院へ行く。このサイクルは治療医学、もしくは対処療法などと呼ばれている。そこで完治するならば問題ないが、他の病気が発覚することもあれば、病気が進行している場合もある。ガンは突然変異のガン細胞が誕生することからはじまるわけだが、こいつらがかなりしぶとく、カラダの中で悪さをする。だからやっかいなのだ。乳がんの発生率は女性の実に20人に1人とも聞く。深刻だと思う。米国は予防医学という考え方が進み、見事なまでにガンが減ってきている。州によっては貧困層は医療を受けることはできない。文字通り富裕層しか病院に行けないのだ。圧倒的多数はうかうか病院のお世話になれない。だからケアするしかない。ここから予防医学が浸透して行く。ところが日本はガン患者が増えている。そう治療医学文化なのだ。国の財政負担を考えても(将来的保険料の値上がり)治療医学が根付いている間は借金が増え続ける。すぐにとは言わない迄もシフトチェンジが望まれるだろう。日本も貧富の差は存在しており、それこそ米国のように十分な治療を受けられなくなっている層も出てくるだろう。というかすでにそうなっている。今の20代、30代の元気なうちに知っておいた方がいいことはたくさんある。この分野においての活動が僕のプロジェクトのひとつになっていく。

医療の進歩への安堵感とともに集団意識が働いて「そんなに怖くない。」と感じる人もいるかも知れない。とは言うもののガンを宣告されて不安にならない人はいない。皆無。僕自身そうであるように家族が苦しむのはとてもつらい。痛みが伴う病気はとても見ていられるものではない。
一方で、「そんなこと(ガンのこと)ばかり考えて一々生活習慣を変えるとか、食べ物を制限するとかイヤだ。それなら好きに生きて食べたいものを食べて生活してコロっと死んだ方がいい。」という考え方もあると思う。QOL(クオリティ・オブ・ライフ:生活、人生の質、)と呼ばれているものだ。どの価値観にそって生きるかはその個人の問題だ。いいも悪いもないだろう。僕は医療の専門家ではないので出来ることは考え方や具体的活動、実体を構築していくこと。マクロビオティックに興味を持ったのは考え方に共感したから。

このテーマについては今後も書き続けていくつもりです。このテーマにあるような問題をプロジェクト化し、自分のライフワークにしていこうと考えています。Vege&Fork Marketも意味あるものにしていきたい。