2011/04/20

とあるケータリング・カーのオーナーと会った。

それにしてもイベントの中止や延期が相次いでいる。ちょっとは落ち着いたとは思っていたけどそうでもない。僕の知り合いのコンサート系イベンターの話によると中止になったものや振り替え、払い戻しなどの手続きの業務が凄まじいことになっており、これら一連のチケット総数が2億枚以上にのぼっているらしい。一体何人のスタッフが必要なんだろう。飲食イベントなんかも同様だろう。100%とは言わないまでも、たしかに中止が多い。主催者も大変だろうが、出展者も大変だ。出展する場所がそのまま商売地なわけで日々の売り上げに直接影響する。

先日、ある方から連絡があって「飲食イベントに出展場所を探しているケータリングの人がいるから、会ってあげてくれないか?知っているイベントがあったら紹介してあげてくれ。」と言われた。4月5月の出展イベントの9割が中止だそうだ。。お世話になっている方からの電話だったし、少しでもお役に立てればと思った。けどまぁ、常に東京近郊の飲食イベント情報や出展者求ム情報をチェックしているわけではないんだが。。というかググるしかないのが正直なところだ。(だから僕に頼むほどでもない。)精々オーガニック、ナチュラル系、ベジ系のイベントをチェックしているくらいでフードイベントのオーガナイザーの知り合いとか別にいない(笑)。ネットで情報リサーチして教えてあげることぐらいはできるのでそうしようと思った。そのケータリング・カーの商品は肉とか焼きそばとかやっているみたい。僕の関心先とは別だとか、ジャンル違いだとはあまり考えず、単純に探してあげようと思った。

ここで問題というか、気になったことがある。
その方はPCのメールはおろか、携帯のメールすらやっていないみたいだ。じゃあいつもはどうやって出展情報をチェックしているのか。聞くと、同業の友人がFAXを送ってくれるのみ、だそうだ。本当にこれだけなの?インプットが!?それだけじゃ無理でしょー!と思ったけど。。商品や出展したい場所や条件など諸々詳細ヒアリングしないと何にもできないからメールくださいって言った途端に「無理です。。やったことないです。」って言われた。「わからないから。」だそうだけど、違うよ、「わかろうとしてないんだ」って。

よく、お年寄りになると(その方は60代中盤くらい。)ネットや昨今のデジタルデバイなんか触れなくなるっていうけど、僕は全然そんなことないと思う。好奇心とか必要に迫れてるか、そうじゃないか、だけだと思う。実際僕の仕事関係で言うと64歳でiPadガンガン使い倒しているプロデューサーとかいる。やれば全然出来る。勝手に決めつけているだけ。例えばケータリング・カーをやっている方なんかは然るべき情報のインプットは大事だ。「いつ、どこで、どんなイベントがあって、どんな条件で出展できるのか?」っていう情報はいわば商売の生命線。それを友人から送られてくるFAXだけを頼りにしてるだけなんて、危険すぎる。何かを理由に友人がFAXしてくれなかったら震災がなくたって同じ状況だ。

「機械音痴かも知れないし、面倒臭いかも知れないけどまだまだ現役でやる限り覚えましょうよ!イヤでもこれからの時代は必要!情報取得は自分から!」なんていう話を一通りさせてもらいました。これは言ってあげるべき内容だと思う。というか言わなきゃ気が済まなかった。食材の仕入れと同じくらい大事な情報の仕入れ。(一応それだけ言い放って帰る訳には行かないので僕は出来るだけ調べてまとめてFAXしますよ、とは伝えた。)偉そうなことたくさん言ってしまったから怒るかなと思ったけど、むしろ感謝された。「そんなことを言ってくれた人は今まで一人もいなかった。貴重な話しをありがとう。」と言ってくれた。
目は輝いていた。あぁ言ってよかったな。

宣伝広告っていうものに対してのやり方が変わってきているのは周知の事実。昨日までPRについてまったく無知だったり、やり方を知らない人が、いきなり今日、twitterやブログやfacebookで情報をアウトプットできる時代。しかも無料で世界に発信できる。もはやソーシャルメディアは流行りでも何でもない。当たり前。ジャンルによっては仕事のマストツールだと思う。手帳やカレンダーやカバンやペンと同様にソーシャルメディアのアカウントは必須だと思う。今回の震災でソーシャルメディア利用者は急増、facebookは760万人を越えたそうだ。そういえばガラケーのメールが使えないときはtwitterのDMで連絡を取り合ったりしたもんなー。

江ノ島に「フリーダムサンセット」という素晴らしい音楽イベントがある。昨年春に友人夫婦に誘われて行ったんだけど、そこには最高のダンスミュージック(DJ)とバンドのライヴがあった。そして極みは江ノ島の高台から見るサンセット。超贅沢な自然というロケーションをバックにしたイベントだ。このイベントのオーガナイザーは何と集客のためのいわゆるプロモーションコストはゼロだそうだ。凄すぎる。フライヤー1枚すら刷らない。どうやってるかって?ソーシャルメディアオンリーだ。で何人くるかって?2,000人以上です。びっくりする。近年は安全にイベントを運営するために入場制限をかけ、よりいっそう楽しんでもらおうとの意図を感じとることができる。これがまた素晴らしい。その気になったら3,000人以上集めるのもわけないだろう。今やtwitter、ブログ、facebook、mixiなどに加えて、何年もやっている実績=お客さん、アーティストの信頼→口コミで爆発的なイベントに成長している。コンセプトやオーガナイザーのソウルが共有されているから多くのファンが付いている。ソーシャルメディア集客術の成功例だ。僕も非常に参考にさせていただいている。(全然及ばないけど。)ちなみに今年のフリーダムサンセットは5月開催は6月に延期されるものの、開催されるみたいだ。今年も友人夫妻と行きたい!

さらにうれしかったのは別れた1時間後にショートメールが来た。「ありがとうございます。またよろしくお願いします。」って書いてあった。ほら、できるじゃないですか!
(感動)

偉そうに人に言いながらそれは自戒の意を込めて自分にもたくさん言い聞かせます。やっぱりハングリーじゃなきゃ何もできないよ。